■ いつの間にか“口癖”になっていた「ごめんなさい」
「遅れてごめん」
「なんか、ごめん」
「大丈夫?……あ、ごめんね!」
何かあるたびに、反射的に「ごめん」と言ってしまう――
そんな自分に、うんざりしていませんか?
私自身、かつては“ごめん体質”でした。
頼まれごとにNOと言えず、何かあるとすぐに自分を責める。
「ごめん」を連発することで、周囲に気を遣っているつもりでした。
でもあるとき気づいたんです。
「ごめん」って、本当は“自分を小さくする言葉”だったんだと。
■ 謝ることで“安心”していた自分
人間関係における謝罪は、悪いものではありません。
でも、問題なのは「自分が悪くないのに謝ってしまう」こと。
- 話しかけただけで「ごめん」
- 誰かが不機嫌だと「私のせい?」と勝手に反省
- 予定変更も、自分が悪くないのに「ごめんね」
それは一種の“自己防衛”でした。
先に謝ることで、「これ以上責められたくない」という無意識の反応。
でもその習慣が、自己肯定感をじわじわ削っていたのです。
■ “謝らない”だけで、世界は変わるのか?
結論から言うと、変わりました。劇的に。
私はある日、意識的に「ごめん」を使うのをやめてみました。
代わりに使ったのはこんな言葉たち:
- 「ありがとう」
- 「助かった」
- 「気づいてくれてうれしい」
- 「今は難しいけど、また今度話そう」
この言葉の選び方が変わっただけで、相手の反応も、自分の気持ちも、ガラリと変わったのです。
■ 言葉の“重さ”が、人間関係の質を決める
「ごめんね」と「ありがとう」――
たった一言の違いで、場の空気は全く変わります。
✔ 例1:
✖「遅れてごめんね」
◎「待ってくれてありがとう!」
▶ 相手に“気を遣わせない”のは、後者の言い方。
✔ 例2:
✖「なんか変なこと言ってたらごめん」
◎「話を聞いてくれてうれしい」
▶ 自分を否定せずに、感謝や信頼を伝える言葉を選ぶ。
**謝罪は下手すると“自分の存在そのものを否定するクセ”**につながります。
■ “謝りすぎ”のデメリット
- 自分の価値を自ら下げてしまう
→ 周囲に「この人は頼まれやすい」と思われ、損な役回りになりやすい。 - 相手も気まずくなる
→ 謝られすぎると「そんなつもりじゃないのに…」と気を遣わせてしまう。 - 本当に謝るべき時の重みがなくなる
→ 「ごめん」を安売りしてしまうと、謝罪の“効力”が落ちてしまう。
■ 謝る癖をやめるための3ステップ
【STEP 1】 「ごめん」と言いそうになったら、一呼吸おいて言い換える
例:
「ごめん、○○してくれる?」 → 「○○してもらえたら助かるな」
【STEP 2】 “悪意なき誤解”に対しては、謝らずに説明する
例:
「誤解させちゃってごめん」 → 「ちょっと伝え方が曖昧だったかも、補足するね」
【STEP 3】 本当に謝る時は、誠意をもって。 ただし回数は“少なく、強く、美しく”
→ 謝罪の言葉を丁寧に伝えると、逆に信頼が深まる。
■ まとめ:謝ることを“やめる”のではなく、“選ぶ”ということ
謝罪は、思いやりの表現でもあります。
でも、それが“クセ”になっているなら、それはもはや「思いやり」ではありません。
「ごめん」を“やめた”のではなく、
私は「使い方を選ぶようになった」だけ。
その選択が、
自分を少しずつ“まっすぐ”にしてくれました。

