「人に期待」をやめてみた

はじめに|「期待」は、なぜ苦しくなるのか?

誰かに期待して、裏切られた経験はありませんか?
恋人に、友人に、家族に、上司に──。

私たちは、日々あらゆる人に“無意識の期待”をしています。
「きっとわかってくれるはず」「きっと助けてくれるはず」
でも、それが叶わなかった瞬間、私たちは「裏切られた」と感じ、傷つきます。

でもよく考えてみてください。
相手は「裏切った」のではなく、「あなたの勝手な期待に応えなかった」だけかもしれません。

そこで私は決めました。
**“人に期待するのをやめてみよう”**と。


第1章|期待は、コントロール欲の裏返しだった

「こうしてくれるはず」「わかってくれるだろう」
その期待の裏には、“自分の思い通りにしたい”という感情が潜んでいます。

私は、かつて恋人に過度な期待をしていました。
「もっと連絡が欲しい」「察して欲しい」「ちゃんと向き合ってほしい」

でも、それって相手を自分の理想に当てはめようとしているだけだった。

人には人のペースがあるし、思考も感情も違う。
その当たり前を無視していた私は、結果として、関係を壊してしまったのです。


第2章|「期待をやめた日」から、心がラクになった

あるときから、私はすべての人間関係において「期待しない」ことを心がけました。

もちろん最初は難しかった。
でも「この人にはこうしてもらう“義務”はない」と考えるようになってから、心がぐっと軽くなった。

たとえば、友達から返信が遅れても「なんで返してくれないの?」とは思わなくなったし、
職場で同僚がミスしても「それもその人の人生の流れ」と捉えるようになった。

すると、何が起きたか?

怒らなくなった。
イライラしなくなった。
“勝手に失望する自分”がいなくなった。


第3章|「自分に期待する」ほうが、100倍豊かになれる

人に期待するのをやめたことで、私はある大切なことに気づきました。
“自分に期待する生き方”は、裏切られないということ。

たとえば誰かが助けてくれなかったとき、「じゃあ、自分でやってみよう」と思えたとき、
そこには成長があります。前進があります。自分に対する信頼が、積み上がっていきます。

それに気づいた私は、“期待の矢印”を外に向けるのではなく、
自分の内側に向けることに決めました。


第4章|期待しない人間関係は、むしろ深くなる

「期待しない=冷たい」ではありません。

むしろ逆。
相手を“あるがまま”に受け入れることで、信頼関係が深まるのです。

私は今、家族との関係も昔より良くなりました。
「親だから」「子どもだから」「夫だから」
そんな役割期待を捨てたとき、そこに“人間としてのつながり”が生まれた気がしました。

付き合いにくかったあの人とも、余計な感情を挟まずに話せるようになりました。

期待しないことで、関係はむしろ自由になる。
それは私にとって、大きな発見でした。


第5章|“人に期待しない”ための3つのコツ

①「〇〇してくれるはず」を言葉にする前に、深呼吸

期待してしまいそうなとき、自分に問いかけてみましょう。
「それ、本当に“当然”なの?」

② 相手を「プロの他人」として見る

あなたと同じ考えを持たないのは当然。
“他人は他人”と思うことで、必要以上に心を乱されずに済みます。

③ 自分との約束を守る

“裏切られない”最大のポイントは、自分を信頼できるようになること。
「朝起きたら散歩する」「日記をつける」そんな小さな自己期待を叶え続けることが、自信と平穏につながります。


おわりに|誰にも裏切られない人生へ

人に期待しない。
それは、あきらめでも冷たさでもなく、「自分の心を守る」という選択です。

もちろん、誰かが期待を超えてくれることもある。
でも、それは“うれしい偶然”として、素直に感謝すればいい。

期待しなければ、裏切られない。
裏切られなければ、傷つかない。
傷つかないぶん、もっと人を愛せる。

そうやって私は、“自分に正直に生きる道”を見つけました。

あなたも一度、やめてみませんか?
“人に期待すること”を。