はじめに:マルチタスクって、本当に効率いいの?
・Slackで通知を確認しながら、
・Zoom会議を聞き流して、
・タスク管理アプリでToDoを整理しながら、
・メールを返信する。
こんな“同時進行”の毎日、あなたにも覚えがあるのでは?
正直、これが当たり前だと思っていたし、むしろ「できる人っぽい」とすら感じていた。
でも、ある日ふと気づいた。
「仕事してるのに、なぜこんなにも終わった気がしないんだろう?」
そこで、実験してみることにした。
“マルチタスク完全禁止”生活、1週間。
意外すぎることに、結果は「すべてが速く、静かに、心地よく終わった」。
ルールはシンプル:「ひとつずつしかやらない」
マルチタスクをやめるとは、つまりこういうこと。
- 通知はすべてオフ
- タブは1つだけ開く
- メール返信・資料作成・会議参加…完全に時間を区切る
- 「ながら作業」厳禁
マルチタスクから“シングルタスク”へ完全シフト。
言ってしまえば、“昔のやり方”に戻るようなものだ。
でもそこに、予想外の快感が待っていた。
【1日目】逆に不安すぎて、手が震える
まずは朝一のメール返信から。
通知を切り、目の前の1通にだけ集中。
……が、そわそわする。
「Slack見てないけど大丈夫?」
「上司からのメッセージ来てたらどうしよう」
「今、この作業してていいんだっけ?」
完全に“マルチタスク依存症”になっていた自分に気づく。
でも、目の前のメールにだけ集中したら、
返信が驚くほど速く、丁寧になった。
【3日目】集中力の“ゾーン”に入る瞬間がわかるようになった
シングルタスクを続けていると、
あるタイミングで“スイッチが入る感覚”が訪れる。
・手が勝手に動き出す
・時間を忘れる
・言葉が流れるように出てくる
いわゆる“フロー状態”というやつ。
これ、マルチタスクでは絶対に起こらない。
通知、チャット、SNS…どれも“集中の芽”を潰していたのだと痛感。
【5日目】終業時間前に「仕事が全部終わっている」衝撃
この日、14時の段階でタスクがすべて完了していた。
普段なら19時までPCの前に張り付き、
“タスクをやってるふう”で時間だけが過ぎていた。
でもこの日は違った。
- 作業時間が短い=脳の疲労も少ない
- “早く終わらせる”より“丁寧に終わらせる”ことに集中できた
- なにより、**「自分はちゃんと仕事できてる」**という実感が持てた
マルチタスクに潜む“3つの落とし穴”
❶ 脳の切り替えコストが大きすぎる
人は“同時”に処理しているようで、実際は「切り替え」をしているだけ。
このスイッチングに、平均で40%の効率ロスがあると言われている。
❷ クオリティがどこか雑になる
細かい誤字、論理の飛躍、伝わらない資料…。
「なんか雑だな」と思われる原因の多くが、“注意の分散”によるもの。
❸ “仕事してる気”にさせられてしまう
忙しさ=仕事量と錯覚してしまう。
その結果、タスク管理より“マルチな同時処理”に快感を感じるようになる中毒性がある。
結論:シングルタスクは「地味だけど最強の働き方」だった
マルチタスクをやめてわかったこと。
それは、“やってる感”よりも、“やり切った実感”のほうが何倍も気持ちいいということ。
静かに、丁寧に、ひとつずつ。
集中という名の“心の栄養”をちゃんと摂ることで、
結果として仕事も早く、質も高く、ストレスも少ない。
「やることが多すぎる」と思ったときこそ、ひとつに集中してみて
私たちは、「早く終わらせる方法」を探しがちだ。
でも、本当に大切なのは──
「いま、目の前にあるひとつに、丁寧に向き合うこと」
それだけで、驚くほど仕事は片づくし、心も静かになる。
“ながら作業”をやめた瞬間、世界のノイズがすーっと引いていく感覚を、
ぜひあなたにも体験してほしい。